◆ 「将来に希望」 7ｶ国中最低
ﾊﾞﾌﾞﾙが弾けるまでは、給料も年々上がってたから、今日より明日、明日より明後日って、日々良くなるの実感できたから「希望」も持てたけど、今は大企業でも潰れるし、いつﾘｽﾄﾗされるか分からん一寸先は闇の時代やからねぇ。
将来よりも、今をどう生きるかしか関心がないのも無理はないわな。
ただなぁ、「希望」ってのは、何かをやり続ける事で、経験値を積んで、未来を予測できるようになって、初めてわくもんなわけで、何もしてないのに、「希望」なんか持てるはずがない。
「夢」ってのは、根拠のない自信とか漠然としたもんで持てるけど、「希望」ってもんは、「未来に対する期待」やから、現状が認識できんと持てん。
今の時代は便利になった分、経験値を稼ぐ機会も減ってるねんな。
ｹﾞｰﾑだの何だのもそうやけど、与えられるもんをこなす事に終始してる。
だから、経験値が不足する。
自分に自信が持てんのも、経験値が不足してるからなわけで、ようするに、「好奇心」が少ないんやろな。
今は、圧倒的に「経験」する機会が減ってる気がする。
若者にやらさんのか、若者がやろうとせんのかってとこもあるし、仮にやらせても、言われた事を言われた通りにしかやらんかったら、稼げる経験値も知れてる。
そういう意味じゃ、昔は「責任は俺が取るから好きなようにやれ」って言う先輩や上司がそれなりにおったけど、今はとにかく責任を取ろうとせん時代やしなぁ。
とにかく問題を起こさず、ｸﾚｰﾏｰを恐れて、無難に過ごす事を一番に考えるようなっとるし…
「社会」自体がそうなっとるから、経験値を稼ぐのも難しいわな。
若者は、「○○離れ」とか「さとり世代」とか言われるように「欲望」も減ってるから、ますます経験値が過稼げんようになってる。
欲望(好奇心も含む)っちゅう原動力がないから走れない。
走れないから経験値が稼げない。
経験値が少ないから希望が持てない。
完全に負のﾙｰﾌﾟに陥ってるわけですな。
「希望」が持てる持てない以前に、「あぁなりたい」「こぉなりたい」っちゅう「欲望」とか、「どうなるんやろ？」「何でこうなるんやろ？」っちゅう「好奇心」が少ないのが問題やねんな。
それもこれも、失敗を許さん風潮があるから。
「欲望」とか「好奇心」には「失敗」がつきものなんやけど、今の社会は、何かあるとすぐに謝罪させる。
こういう風潮が失敗を許さん社会になって、ﾁｬﾚﾝｼﾞを阻害するねんな。
若者が希望を持てんのは、失敗を許さない、寛容さのない社会に原因があるやと思う。
「失敗が許される」ってのは、若者の特権やのに、それがなくなりゃ、若者は何もできんようになる。
そりゃ、「冒険」せんのも当たり前やで。
出る杭は打たれるしな。
若者は大いにﾁｬﾝﾚｼﾞして、大いに失敗するべきやねん。
そうやって失敗を繰り返す事で、「やりたい事」とか「向いてる事」ってもんが分かるようになる。
最初から「やりたい事」とか「向いてる事」が分かってる人なんかそうそうおらんねん。
昔は選択肢が少なかったから、「こっちよりはこっちかな？」って、何となく「やりたい事」も選べたけど、今の時代は選択肢が多過ぎるから選ばれへん。
剛が「Stsy Dream」で「尽きせぬ自由はがんじがらめの不自由さの中にある」って歌ってるけど、制限があるからこそ、自分の意思や考えが及ぶわけで、完全に自由やと目の前の事すら見えんようになって、運を天に任すって事になる。
完全に自由やと自由が実感できんようになるし、「自分」も分からんようになるねんな。
だから、「自分探し」なんてもんが流行る。
そういう意味じゃ、便利で自由な反面、色々難しい時代になったって言えるやろな。
選択肢が3つなら選べても、3万個も30万個もあったら選びにくい。
だからこそ、「経験値」っちゅう「羅針盤」が必要やし、経験を積んで足下を固める必要があるのに、それがない。
どこに進むかも決められへんのに、「希望」もくそもないわな。
という事で、若者が希望が持てるようになる為にも、若者に色んな事にﾁｬﾝﾚｼﾞさせてあげて、失敗を許す、寛容さのある社会に変わって欲しいもんですな。
今の社会は、何事にも「余裕」がなさ過ぎる。
最短距離で「結果」を求めすぎやねんな。
車もﾊﾝﾄﾞﾙに「遊び」があるから真っ直ぐ進めるわけで、人生にも「無駄」は必要。
「飲む、打つ、買う」なんか「無駄」の骨頂やけど、それがあるから人生も楽しくなる。
「失敗」とか「無駄」とか「遊び」とか、一見ﾈｶﾞﾃｨﾌﾞな要素をもっと許容できる社会になって欲しいもんです。
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なぜ若者は保守化するのか-反転する現実と願望
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