光母子殺害・弁護側会見
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山口県光市の母子殺害事件で、男性被告(27)=事件当時(18)=に死刑判決が出たこと受け、被告側の弁護団は22日、広島市内で記者会見し、「極めて不当な判決」と述べた。会見の詳報は以下の通り。
《弁護団は閉廷後に判決内容を吟味するなどしていたため、記者会見は予定よりやや遅い午後2時半スタートとなった。弁護団21人の弁護士のうち13人が出席。出だしから判決に対する批判を展開した》
本田兆司弁護士「それでは記者会見をしたいと思います。本日この不当な判決が出たので即日、21名の弁護士名で最高裁判所に上告の申し立てをした。判決の問題点や感想などは、出席している弁護士からいろいろ聞いてもらいたい」
《本田弁護士の言葉に続くように、弁護団のメンバーが判決に対するそれぞれの見解を表明した》
安田好弘弁護士「最高裁の判決に忠実に従った極めて不当な判決だ。証拠の評価方法は基本的に間違っている。弁護団では、自白ではなく客観的事実からその信用性を見直して吟味すべきだと主張していた」
《安田弁護士は殺害方法の鑑定結果など、時折身ぶり手ぶりを交えながら、判決の事実認定について批判を加えた》
「加害者が右手で逆手で押さえたものとしか認定できないにもかかわらず、裁判所は逆手であることを全面的に否定した。こういうふうな認定はあちこちにあった。被告人の新供述は死刑をまぬがれるためにやった虚偽の供述と断定しているが、事実と反している。むしろ彼はひとつひとつ事実について思いだして、記憶に忠実に話してきたんです。死刑を免れるというものではなく、有利不利を問わずすべてを話すという気持ちから話しているのに、裁判所は被告人の心を完全に見誤っている」
村上満宏弁護士「18歳1カ月という未熟な未成年の犯行ということを真正面からとらえていない判決だ」
新谷桂弁護士「ほとんど何も認めてもらえなかった。今日の判決はわれわれの言っていることを理解していない。判決に書いているのはまったくの詭弁(きべん)だろう」
岩井信弁護士「なぜ18歳1カ月の青年がこのような犯行を犯したのかという部分に答えていない判決といわざるをえない」
《判決結果に感情が高ぶり、声を詰まらせる弁護士もいた》
井上明彦弁護士「判決では新しい供述を信用できないとされた。その理由は、1審でも控訴審でも争っておらず、今いきなり出てくるのは信用できないということだ。しかし、この不合理な判決を下す裁判所が存在する限り、被告人は怖くて争うことができない。少し争っただけで反省の気持ちがないということになり、死刑になってしまう。そんなリスクがあるのに、争っていないことについてあそこまで断じられてしまうなんて。私は非常に憤りを感じます」
(2)へ続く
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