光母子殺害・弁護側会見
4/4
《この事件が注目される一端ともなったのが被告の新供述。この“法廷戦略”の是非を問われると、安田弁護士は厳しい口調に》

−−1審と控訴審で無期懲役になっていたことを考えると、被告の利益を考えてあえて新供述を出さずに、今までの供述を変えない法廷戦略もあったのでは 安田弁護士「それは弁護士の職責としてあり得ない。真実を明らかにすることで初めて被告の本当の反省と贖罪(しょくざい)が生み出されると思う。そうすることでようやくこの事件の真相が明らかになる。なぜこの事件が起こったのか。どうすればこういった不幸なことを避けることができるのか。そしてどうすれば被害者の許しを請うことができるのか。戦術的に物事をとめるとか不当に終わらせることは決してやってはいけないことだ」

−−判決を受けて少年に対してどう日々を送ってほしいか

安田弁護士「今日の判決にかかわらず、私たちは彼のやろうとしていることを思い切り支えてやろうと思う。彼の目標や立場がしっかりしている以上は、今日の判決に影響されて自暴自棄になることはないと思う」

−−昨年10月まで弁護人だった今枝仁弁護士とたもとを分かったのは、情状面を柱に主張する今枝弁護士と、あくまで客観的な事実認定にこだわる弁護団側の対立によるものか

安田弁護士「事実と違う。被告の信頼を失って彼は解任された。明らかに客観的事実と違う」

《本田弁護士が「この辺でよろしいですか」と会見終了を促すが、続けて記者からは質問が出された》

−−今回の弁護活動を通じてこれまで誤りがなかったと思うか

安田弁護士「私たちは悩みながら弁護活動を行ってきた。全面的に正しいとは思わないが、真剣に取り組み、正しいと自信を持ってやってきた。今回の判決で私たちの弁護(活動)が基本的に間違っていたと思っていない」

−−(公平性を欠くと表明した)BPO(放送・倫理番組向上機構)の勧告についてはどう考えるか

岩井弁護士「弁護団は、BPOの勧告に基づいてメディアに対し、公正公平で客観的な報道をお願いした。今回の判決も旧供述と新供述の対立という枠の中だけで議論されたことは痛恨の極み。BPOの指摘についてメディアも考えてほしい」

−−接見したとき、被告から遺族に対して何か謝罪の言葉はなかったのか

井上弁護士「ご遺族の方に関しては、日頃から反省と贖罪の言葉を言っており、今日もそのようなことを言っていた。今日、特に変わったことは言っていない」

《午後3時半ごろ、再び本田弁護士が「ここら辺で終わりにします」と会見終了を告げる。記者から接見したときの被告の様子について質問が出るが、安田弁護士が「お話しできることは以上です」とだけ述べ、弁護団は会見場を去った》

↓広告のクリックもお願いします。
広告