押尾学 女性死亡 初公判
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《約40分間の休廷を挟み、裁判は検察側の証拠調べに入った。元俳優、押尾学被告(32)は緊張した面持ちで入廷。弁護側の横の席に座ると、机の上に大学ノートを開き、ペンを置いた。弁護人から資料を渡されると、それも一緒に机に置いた》
《山口裕之裁判長が開廷を告げると、男性検察官が法廷内のモニターを使いながら、証拠の内容を説明し始めた。6人の裁判員たちは、手元のモニターをじっと見つめている》
《厚生労働省がMDMAを麻薬として規制対象とした趣旨や経緯が、男性検察官によって説明されていく。法廷内のモニターには、MDMAの形状を説明するため、さまざまな錠剤が並べられた写真が映し出されている。押尾被告は、机の上に置いた資料に目を落としている》
検察官「これらのボトルは、(六本木ヒルズの)部屋から押収したサプリメントのボトルです」
《複数の種類のサプリメントのボトルと、中に入っていたとみられる錠剤を並べて撮影した写真がモニターに映し出された。これらの一つから、麻薬のTFMPPが出てきたという》
《山口裁判長は、押尾被告に証言台の前に移動するよう促した。男性検察官が押尾被告に証拠物のボトルを示しながら質問した》
検察官「これは昨年8月2日に六本木ヒルズの部屋にあったサプリメントのボトルです。分かりますね」
被告「はい」
《押尾被告は小さな声で答える》
検察官「これはあなたが持っていたものですね」
被告「はい」
検察官「もう必要ないですね」
被告「必要ありません」
《答え終わると押尾被告は弁護人の横の席に戻った》
《続いて平成21年6月13日〜8月2日の、押尾被告と被害者の田中香織さん=当時(30)=の通話履歴とメール内容の一覧表がモニターに映し出された》
《21年7月29日に、事件発生日の8月2日に会う約束をしたことを示すメールと、8月2日当日に2人がやりとりしたメールの内容が表になっている。「ただいま」などの内容のようだ》
《その後7月23〜25日まで、押尾被告がアメリカに滞在していたときのメールの内容も映し出された。英語が堪能な押尾被告らしくメールの文面は英語で、裁判用に日本語訳もつけられている》
《続いて男性検察官は、押尾被告の元マネジャー△△さん(法廷では実名)の上司、□□さん(同)の供述調書の読み上げを始めた》
検察官「読み上げます。21年7月5日〜7月28日まで、押尾被告は仕事で渡米し、私もチーフマネジャーとして同行しました。7月24日の朝、被告から『アミノ酸』と言われ、プラスチックのボトルが3〜4個入った袋を預かりました」
《男性は25日に帰国する予定だったという。法廷内の押尾被告はじっと正面を見据え、男性検察官の言葉を聞いている》
「帰国後、7月27日に出社し、△△さんの机の上に、預かった袋と伝言メモを一緒においておきました」
《部屋から押収されたサプリメントのボトルのうち、この男性が見覚えがあるのは2つほどだという。検察官は読み上げを続けた》
「7月28日に押尾被告が帰国すると、△△さんの机の上に置いておいた袋がなくなっていました」
法廷ライブ7に続く
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