因幡の白兎
2009/1/20
オオクニヌシには、たくさんの兄弟(八十神:やそがみ)がおったそうな。(何で昔話風やねん)
しかし、全ての神様が身を引いて、オオクニヌシに国を譲ったそうな。
その理由は…
それは、オオクニヌシがまだオオナムヂと呼ばれてる頃のお話。
因幡の国に、それはそれは絶世の美女がおってん。
八十神は、その絶世の美女、ヤガミヒメ(八上比売)を嫁にしたいと思い、会いに行くことにするねんな。
で、八十神は、オオナムヂにたくさんの荷物を背負わせて、家来として連れて行く。
一行が、気多の岬(けたのみさき=鳥取県気多郡の日本海に突き出た岬)に着いた時、そこに毛の全くない裸のウサギが…
「うぅ〜」
。・゚・(ノД`)・゚・。ウォーン
泣いてるウサギを見かけた八十神は…
「おい、そこのウサギ!! 体が痛いんやったら、海の水を浴びてから、風に吹かれて、高い山の上で寝とったら治まるぞ(笑)」
( ̄ー+ ̄)ニヤリ
ウサギは、言われた通りに寝てたんやけど、痛みがよけいにひどくなるばかり。
当たり前やっちゅうの。
海水の塩が乾いてくるたびに、吹く風が皮膚に刺ささるように痛み、泣きながらウサギが寝てると、そこへ荷物を背負わされてたんで、一行から遅れてたオオナムヂが…
「ウサギさん、何で泣いてるん?」
するとウサギは…
「オイラ、隠岐の島(おきのしま)に住んでたんやけど、どうしてもこっちに来たくて…」
「でも、海を渡る方法がなかったから、サメさんを騙して…」
さて、ウサギは、どうやって騙したのか…
ウサギ:「サメさん、サメさん。」
サメ:「んっ!?どないしたん?」
ウサギ:「サメさんとオイラで、どっちの仲間の数が多いか数えて、競争しようや」
サメ:「ええけど、どうするん?」
ウサギ:「出来るだけようけ仲間呼んで来て、ここから気多の岬まで、一列に並ばせてや」
「そしたら、オイラが、その上を渡りながら数を数えるわ」
「お前の仲間の数は誰が数えるねん」っちゅう、つっこみも入らず、サメは、ウサギの言う通りに一列に並んだ。
ウサギは、その上をピョンピョンと飛び跳ね、気多の岬の一歩手前で…
ウサギ:「バーカ、バーカ。お前らは騙されたんやぁ」
いちいち、そんなこと言わんでも…
サメ:「何ぉ〜!!こうしてくれる!!」
サメは怒って、ウサギの着物を剥いで丸裸に。
と、ウサギはサメとのやりとりを説明し…
ウサギ:「丸裸にされて、困って泣いてたら、さっき通りかかった神様達が、『海水を浴びて、風に吹かれて寝てろ』って教えてくれたから、その通りにしてたら、傷だらけなってもうてん」
ウサギの説明を聞いたオオナムヂは…
「そうなんや、それは可哀想に…(兄貴らもめちゃくちゃ言いよるなぁ)」
同情したオオナムヂは…
「今すぐに、あの河口に行って、真水で体を洗ったらええわ」
「それから、その河口に生えている蒲(がま)の花を採って来て、黄色い花粉をまき散らして、その上をゴロゴロ転がってたら治るで」
ウサギが、教えられた通りにやると、傷はすっかり治り、その後「兎神」と呼ばれるようになったそうな。
神様って呼ばれるようなことは、しとらんと思うけど…
すっかり傷が治ったウサギがオオナムヂに…
「先に行った神様達は、ヤガミヒメと結婚出来へんで。あんた、家来のように大きな荷物を背負ってるけど、ヤガミヒメが選ぶのはあんたや」
騙されて、さっきまで泣いてたウサギに言われても、何の説得力もないんですけど…
ちゅうか、何で知っとるねん。
このウサギが、祭られてるのが鳥取県鳥取市にある「白兎神社」
一般的な縁結びでやなくて、特定の人との縁結びの神様なんやと。
意中の人との結縁にご利益があるらしいわ。
オオナムヂの人柄が良かっただけで、ウサギは何もしとらんのに「縁結び」とはこれいかに。
昔の人は、懐が深いっちゅうか、心が広いなぁ。
現代人の発想じゃ、こうはならんやろな。
何にしても、ウサギを助けたオオナムヂは、一行の後を追いかけて行く。
今回はここまで。
何で、オオクニヌシに国を譲ったかの話はまだまだ続く…
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