九州各地で教員不足が深刻になっている。年度当初の欠員が相次ぎ、福岡県では1学期半ばでも60人以上が不足していた。第2次ベビーブーム世代の就学時に採用された教員の大量退職が背景にある。切羽詰まって、「教員免許をもつ人を紹介して」と保護者に呼びかける教委もある。
高瀬
「教員不足の大きな要因が『臨時採用』の教員、いわゆる『臨採』です。
通常、病気や産休などで欠員が生じた場合、この臨採で補充するんですが、その確保ができなくなっているんです。」
和久田
「その背景にあるのが、少子化を見越した教員の採用の見直しです。
こちらは、教員の定数に占める臨採の割合です。
赤い部分が年々、拡大しているのがわかります。
今後、少子化がさらに進むと教員の定数が削減されるため、教育委員会は、正規教員の採用を抑えて、非正規雇用の臨採の枠を広げているんです。」
大西記者
「残念ながら、現状では特効薬はないと言わざるを得ません。
ただ、実は教員免許の取得者数はそれほど減っていなくて、過去5年間でみると、ほぼ横ばいです。
さらに、教員免許を持ちながら、子育てなどで職場を離れている、いわゆる『潜在教員』もいます。
つまり、すぐにでも臨採になれる人は一定数いるんです。
そうした人たちを、いかに取り込んでいけるかが、対策の鍵になると言えそうです。
文部科学省は、教員の仕事のやりがいなどを広く伝えることで、教員志望者のすそ野を広げていきたいとしています。」