浜松市東区小池町の路上で2016年6月、女性が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の罪で静岡地裁浜松支部に起訴されている住所不定、無職の男(43)が、静岡刑務所浜松拘置支所(浜松市中区鴨江)で自殺したことが6日、複数の関係者への取材で分かった。被告は裁判員裁判に向けた公判前整理手続きの最中で、同支所で勾留されていた。
静岡刑務所(静岡市葵区東千代田)は同日、同支所で男性の刑事被告人が自殺したと発表したが、人物は明らかにしなかった。
6月30日午後10時20分ごろ、浜松市東区小池町の路上で通行人が「首や胸を刺された女性が倒れている」と110番通報した。女性は40代とみられ、搬送先の病院で死亡が確認された。約40分後、男が近くの交番に「人を刺した」と出頭。浜松東署は1日未明、殺人容疑で男を逮捕した。女性の身元の特定を急いでいる。
男は浜松市中区曳馬、職業不詳、松坂健一容疑者(42)。逮捕容疑は、刃物で女性の胸などを刺し殺害したとしている。
浜松東署によると、通行人の男性が「きゃー」という叫び声を聞いて駆け付けると、複数箇所を刺された女性が血を流して倒れていた。女性と松坂容疑者に面識があるかは不明。出頭時、松坂容疑者の体には血が付いていたが、凶器は所持していなかった。
同刑務所の森末晃弘所長は「被収容者の動静視察、心情把握に努めてきたが、このような事案が起きて誠に遺憾。今後はより一層、事故防止に努める」とコメントした。