総菜店「でりしゃす」の商品を食べた客が相次いでO157に感染した問題で、「でりしゃす」の運営会社は全ての店舗を閉店すると発表した。
この問題は、埼玉県や群馬県の総菜店「でりしゃす」で購入したポテトサラダなどを食べた客22人がO157に感染し、このうち3歳の女の子1人が死亡したもの。群馬県前橋市の店では、包丁を使い回したり、期限が切れた消毒液を使ったりしていたことがわかっている。
「でりしゃす」を運営するフレッシュコーポレーションは、「保健所の検査で重大な指摘はなかった」とした上で、食中毒問題の影響や、客の利用状況などをふまえて、19日の営業を最後に、17の店舗全てを閉店すると発表した。
埼玉、群馬両県の総菜販売店で購入した総菜を食べた人らが相次いで腸管出血性大腸菌 O157に感染している問題で、同じ遺伝子型の菌が検出された地域は、これまでの11都県より拡大し、変異した遺伝子型も確認されたことが、厚生労働省の調査でわかった。厚労省では、人から人への二次感染などで散発的に広がった可能性があると分析している。
同省によると、両県の患者から検出されたのは、「VT2」と呼ばれる毒素を出すタイプのO157。これまで両県をはじめ、東京、神奈川、三重、香川など計11都県で同じ遺伝子型の菌による感染が確認されていた。その後の調査では、8月14〜20日の1週間にVT2への感染が報告された21都道府県の計144人について、多くの自治体で同じ遺伝子型が確認された。