自由主義(じゆうしゅぎ、英: liberalism、リベラリズム)とは、国家や集団や権威などによる統制に対し、個人などが自由に判断し決定する事が可能であり自己決定権を持つとする思想・体制・傾向などを指す用語。
概要
啓蒙思想から生まれた近代思想の一つであり、人間は理性を持ち従来の権威から自由であり自己決定権を持つとの立場から、政治的には「政府からの自由」である自由権や個人主義、「政府への自由」である国民主権などの民主主義、経済的には私的所有権と自由市場による資本主義などの思想や体制の基礎となり、またそれらの総称ともなった。自由主義は政治や経済における多元主義でもある。自由主義の対比語は、政治学的には権威主義や全体主義、経済的には社会主義の計画経済などの集産主義である。必ずしも保守主義との対立概念とはいえない。米国や日本では、主として保守の立場から、福祉を重視する(穏健な)革新主義の立場を指して「リベラル」と呼称するようになり、意味の変容がみられる。
「自由主義」や「リベラリズム」という思想や用語は、時代や地域や立場などにより変化している。初期の古典的自由主義(Classical Liberalism)はレッセフェール(自由放任)を重視して政府の権力を最小化する立場が多かったが、20世紀には社会的公正を重視して社会福祉など政府の介入も必要とするソーシャルリベラリズム(social liberalism、社会自由主義)が普及した。アメリカ合衆国では「リベラリズム」という用語は、このソーシャルリベラリズム(社会自由主義)の意味で使われる場合が多く、穏健な革新を目指す立場(中道左派)だとされる。政治的自由のみならず経済的自由を強調する表現はリバタリアニズム(libertarianism)および新自由主義(Neoliberalism)であり、これは新保守主義的考え方ということになり、歴史的な自由主義とは違う概念である。