横浜市の会社から購入するなどした振り袖が成人の日に届かなかった問題をめぐっては相談が相次いでいますが、ネット上で品物を売り買いできる「メルカリ」に2か月ほど前から振り袖などが大量に出品されていたことがわかりました。メルカリの運営会社は「規約に違反する『法人利用』の可能性がある」として横浜市の会社との関連も調べています。
横浜市中区に本社がある晴れ着の販売などを行う会社「はれのひ」から購入するなどした振り袖が着付け会場に届かなかった問題では、新成人からの相談が警察や消費生活センターに相次いでいます。
問題の発覚後、ツイッターにはネット上でフリーマーケットのように品物を売り買いできる「メルカリ」に、振り袖やその関連の商品ばかりが出品されているという指摘が投稿され、この出品者のページには2か月ほど前から振り袖のほか帯や草履など70品以上が出されていました。
その多くは買い手がついていましたが、9日午後6時半すぎまでにこのページから品物の画像がすべて削除されました。
これについてメルカリの運営会社はNHKの取材に対し、「横浜市の会社と関係があるかは不明だが、『法人利用』の可能性があり非公開にした」と説明しています。
このタイミングで振袖関係品だけ出品してるメルカリアカウント見つけてしまったんだけど怪しすぎない?????
— 窒素 (@rf_n2) 2018年1月8日
2ヶ月ぐらい前からみたいだけど……
ほんと預けてた人はフリマ系チェックしてほしい…… pic.twitter.com/kpnwOz0dN8
着物の販売・レンタルなどを手がける「はれのひ」(横浜市)が突然店を閉じ、新成人が成人式で晴れ着を着られなくなった問題で、警視庁や神奈川県警などに寄せられた相談件数は9日夕方までに450件を超えたことが分かった。
横浜市消費経済課は同日、市消費生活条例に基づいて同社に調査に入り、職員が店舗などを訪ねたが、応答がなかった。市消費生活総合センターに寄せられた相談は同日午後6時までに96件。「領収書など証拠を保管する」「カード払いの場合はカード会社に支払いを止めるように連絡する」などと助言している。市は特別相談窓口(045・845・6666)を設置した。警視庁への被害相談は9日夕方までに200件を超え、県警への相談も160件に上ったという。
1月9日までに全店舗を閉鎖し、事実上事業を停止したはれのひ(株)(TSR企業コード:872372723、法人番号:8290001055791、横浜市中区桜木町1-101-1、登記上:福岡市博多区博多駅前2-12-26、設立平成23年3月28日、資本金150万円、篠崎洋一郎社長)の負債額が判明した。
負債総額は約6億1000万円(平成28年9月期時点)で、うち金融債務が約4億円。
平成28年9月期の売上高は対外的に4億8000万円と公表していたが、実際の売上高は3億8000万円であることが判明した。ただ、店舗の開設費用と在庫負担、人員増による人件費の増加などで当期利益は3億6000万円の赤字を計上し、同期末で約3億2000万円の大幅な債務超過に陥っていた。
また、一部求人サイトなど外部には「資本金1000万円」と公表していたが、1月9日に確認した商業登記簿では資本金は150万円。
横浜市中区の振り袖販売業者と連絡が取れなくなり、成人式の着付けが出来なくなった問題で、この業者が粉飾決算をしていた可能性があることがわかりました。
(中略)
企業の信用調査を行う
帝国データバンク横浜支店の遠峰英利さんです。
「はれのひ」は新規出店に伴って
従業員の給与や家賃が増加し、
自転車操業の状態になっていたと指摘します。
遠峰さん
「2017年1月くらいから一部仕入先への支払いが止まった。夏ぐらいからは従業員への給料の支払いが遅れている。業容の拡大に組織や資金がついてこなかったということだと思う」
さらに、対外的には黒字と発表していた決算書にも問題が。
遠峰さん
「弊社の場合は調査先の会社からの情報と、取引先からの裏付けで信用調査を作る。見かけ上は黒字が出ていて、順調に(業績を)伸ばしている所と、実際には営業損益段階から赤字の決算書だった。例えば資金調達のところで見方が変わってくるので、そこに手を染めてしまったんだろうなと。粉飾決算を目的としてやっているとしか思えない」