おととし、東京・立川市の病院で乗用車が暴走して2人が死亡した事故で、過失運転致死の罪に問われた85歳の女に対し、東京地裁立川支部は禁固2年の実刑判決を言い渡しました。
東京・国分寺市の上江洲幸子被告(85)はおととし11月、立川市の病院の駐車場で乗用車を運転中に急発進させ、近くを歩いていた安和竜洋さん(39)と市川妙子さん(35)を死亡させたとして、過失運転致死の罪に問われています。
30日の判決で、東京地裁立川支部は「当時83歳と高齢だったが、認知機能の衰えに起因する事故ではない」と指摘。そのうえで、「2人を死亡させた結果は極めて重い」として、弁護側が求めていた執行猶予をつけず、禁固2年の実刑判決を言い渡しました。
第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
事故を起こした乗用車を運転していた上江洲(うえず)幸子さん(83)は、夫が8月から入院し、ほぼ毎日、見舞いのために車で病院へ通っていた。近くに住む女性(75)によると、夫は高熱が続いて肺炎になり「ここ2、3日が山」と言われていたという。「1人で面倒を見て、疲労がたまっていたんだと思う。11日は徹夜で看病し、『ゆうべは大変だった。お父さんの冬支度を取りに来た』と話していた」と振り返り、ショックを隠せない様子だった。
第六十六条 何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。
第百十七条の二の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
七 第六十六条(過労運転等の禁止)の規定に違反した者