今年4月、異臭などの迷惑行為で神戸市東灘区の市営住宅を強制退去処分となった40代女性の部屋に、ネコ53匹が放置されていたことが、神戸市への取材で分かった。繁殖し過ぎて飼育できなくなり、女性は子ども3人とともに別宅で生活していたとみられる。退去や消毒、修繕などに約1千万円かかる見通しで、同市は悪質性が高いとして一部を女性に請求することも検討している。
同市の聴取に、女性は「知らない間に増えた」と説明。「ネコと一緒に暮らしている」と主張したが、電気や水道のメーターはほとんど動いていなかった。同市は、女性らは別の場所で生活する一方、餌や水を与えに来ることもあったとみている。
執行の担当者が室内を確認したところ、53匹のネコがおり、木の柱は傷だらけ。畳は腐食し、床に穴が開くなど荒れ果てた状態だった。複数の死骸も確認されたという。残されたネコは市民グループなどが引き取った。
全国で急増 ペット多頭飼育崩壊
リポート:秋元宏美(NHK大阪)
ペットの多頭飼育崩壊は、どこまで広がっているのか。
ネコの不妊・去勢手術をサポートする活動を行う、佐上邦久さんです。
どうぶつ基金 理事長 佐上邦久さん
「多頭飼育崩壊というパターンが多いですね。 全国から1週間に1件ぐらいのペースで寄せられておりまして、例えば大阪、これは兵庫県伊丹市ですね。
こちら東京の青梅市。」
この団体には、ここ数年、多頭飼育崩壊によるトラブルの相談が相次いでいます。
この半年だけで24件。
東京・青梅市では、60代の女性が30匹のネコを飼育。
心配した知人からの連絡で、不妊・去勢手術を行いました。
大阪・枚方市では、妻を亡くした男性が拾ってきた6匹のネコが、2年で60匹近くまで増加。 餌代で生活が立ち行かなくなったと相談が寄せられました。