今大会から新種目となったマススタートで、高木菜那(25=日本電産サンキョー)が金メダルを獲得した。団体追い抜き金メダルに続き2個目のメダルを獲得し、マススタートの初代女王となった。
序盤から、先頭集団を形成しイレーネ・スハウテン(オランダ)の後ろでチャンスをうかがった。終盤に入り、最後のカーブで内側に切れ込みトップに出ると、そのままゴールへ飛び込んだ。何度もガッツポーズを繰り返した。
レースを終えた高木菜は満面の笑顔で「この種目が始まってから表彰台に上ったことはあったんですけど、金メダルという一番高いところには今まで上ったことがなかったので、最高の舞台で一番高いところに立てて本当にうれしいです」と話した。レースを振り返り「オランダ勢が最後に2人で仕掛けてくると思っていた。イレーネ選手の後ろについて、狙えるところで狙っていこうと考えてました」。冷静に練った作戦通りにレースを運んだ。
転倒に巻き込まれる形で決勝進出を逃した佐藤綾乃(21=高崎健康福祉大)の無念も背負った。「2人でワンツーフィニッシュを狙っていたんですけど、佐藤の分まで金メダルを取りに行くつもりだった」と話した。
日本の女子が同一大会で金メダル2個を獲得するのは夏季を含めて五輪史上初。「最高のオリンピックにできた。本当によかったです」。最後まで笑顔が途切れることはなかった。