熊本県北部の県立高3年の女子生徒(17)がいじめをほのめかす内容の遺書を記して自殺した問題で、同級生の一人が遺族への謝罪を申し出たが、時期が不適切であることを理由に学校側が思いとどまらせていたことが29日、学校側への取材で分かった。
同県教育委員会は「学校から詳しい報告を受けておらず、事実確認を進めている」としており、専門家らによる第三者委員会を設けて調査する方針。
教頭は取材に「謝罪自体を止めたわけではない」と述べるにとどめた。
女子生徒は18日未明に死亡。学校側は27日夜、非公開で保護者説明会を開いた。謝罪制止の事実や理由を問う参加者に「女子生徒が亡くなった直後。まだ適切な時期ではない」と答えたという。
女子生徒の母親(45)は「謝罪の申し出が止められたのが本当なら、いじめがもみ消されていくように思う。事実を知りたい」と声を落とした。
遺族によると、生徒は写真共有アプリ「インスタグラム」で「フォロワー数の多さをねたまれている」と悩んでいたという。遺書には周囲から「死ねばいい」「よく学校に来られる」などと言われたことが記されているほか「もう死にたい」とも書かれていた。