今年1月に多くの新成人が晴れ着を着られない混乱を招いた着物販売・レンタル「はれのひ」(横浜市中区、破産)による融資金詐欺事件で、詐欺罪に問われた元社長篠崎洋一郎被告(56)に対し、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)は19日、懲役2年6月(求刑・懲役5年)の判決を言い渡した。
起訴状では、篠崎被告は、実際には債務超過に陥っていたにもかかわらず、営業利益を水増しした2015年9月期決算などを横浜銀行(本店・横浜市西区)と東日本銀行(同・東京都中央区)に提出し、16年9月にそれぞれ融資金3500万円、約3000万円をだまし取ったとされる。
破産管財人らによると、はれのひは店舗拡大で人件費などがかさみ、今年1月8日の成人式直前に店舗を突然閉鎖した。同月、破産手続きを開始し、この時点の契約者は来年以降の新成人も含め約2000人に上り、弁済はされていない。
実際、篠崎容疑者は債務整理や着物の返還作業を手伝うことなく、3月から家族とともに観光ビザで米国に滞在。破産管財人の弁護士らの連絡にも応じなかった。同課はビザの期限切れで帰国するのを待ち、本格捜査に踏み切った。