末期の乳がんで他の臓器にも転移してるのに完治したんか。
がんの「免疫療法」は、今何かと話題やけど、これだけ効くなら、近い将来、人類はがんを克服する事になるかもしれんな。
末期乳がん、免疫療法で完治 世界初の試験結果発表
進行性の乳がんを患い、化学療法が効かずにがん細胞が他の臓器に広がっていた女性患者に対し、免疫系に働きかける実験的治療を施したところ、がんが完治したとの研究結果を、米国の研究チームが4日発表した。女性は2年間にわたりがんのない状態を維持しており、研究チームはこの結果を末期乳がんに苦しむ患者の治療における「新たな免疫療法アプローチ」と説明。研究に関わっていない専門家からは、「胸躍る」結果だとの声も上がっている。
免疫療法はこれまで、肺がんや子宮頸がん、白血病、メラノーマ(悪性黒色腫)、膀胱がん患者の一部で効果があることが示されていたが、腸がんや乳がん、卵巣がんでは突破口を開けていなかった。
医学誌ネイチャー・メディシン(Nature Medicine)に掲載された論文によると、当時49歳だった患者の女性は、従来型の治療が何度も失敗したことを受け、臨床試験に参加。研究チームは、女性から免疫細胞の一種であるリンパ球を取り出し、調整を施した上で体内に戻す治療を施した。
研究チームは、女性の腫瘍から取り出したリンパ球を調べ、がん細胞に反応するリンパ球の種類を特定。特定されたリンパ球は研究室で再活性化され、別の種類のがんに対する治療で効果が示されている免疫治療薬「免疫チェックポイント阻害剤」と共に体内に戻された。
腸がんや乳がん、卵巣がんでは突破口を開けてなかったのが、これで突破できたと。
将来的には、全てのがんで使えるんちゃう?
ここで出て来る「免疫チェックポイント阻害剤」で有名なのが「オプジーボ」なんやけど、何ちゅうても余命宣告されてた森喜朗を完治させたんやからなぁ。
オプジーボのがん治療の仕組みは…
がん治療「革命」の旗手! 夢の薬「オプジーボ」はこんなに効く
免疫力の「ブレーキ」を外すかつてアメリカのジョンズ・ホプキンス大学に在籍し、オプジーボ開発前の基盤的研究に携わった国立がん研究センター・免疫療法開発分野長の吉村清氏が解説する。
「免疫というのは、病原体やがん細胞といった異物を排除する機能のことです。がんはジワジワと体の中でできていきます。そして、がんができていく過程で、本来がんを攻撃すべき免疫機能が弱まって、がんの存在を許してしまうのです。つまりがんから『返り討ち』にあうのです」
病原体やがんなどを攻撃する機能を担うのが、「キラーT細胞」と呼ばれる免疫細胞だ。体の中にがんができると、「体内にがんという異物ができた」という信号を受けて、キラーT細胞は自動車のようにアクセルを踏んでがん細胞を攻撃しようと近づく。
「ところが、がん細胞は非常に巧妙でキラーT細胞が近づいてくると、『攻撃の必要はない』という偽の信号を送って、攻撃の手をゆるめさせてしまうのです。このブレーキ作用が原因でがんは生き延びることができる。
従来の免疫療法は、キラーT細胞のアクセル部分を強化させようという発想で作られてきました。ところがオプジーボは、『どんなにアクセルを踏んでもブレーキがかかっていれば動かない。ならばブレーキを外してしまおう』という発想で開発されたクスリです。その結果、今までとは段違いによく効く免疫薬が生まれました」(吉村氏)
キラーT細胞はPD-1、がん細胞はPD-L1というブレーキ役の分子を持っている。この二つが手を結んでしまうと免疫チェックポイントが働き、攻撃にブレーキがかかってしまう。
オプジーボはこの二つの分子が結合しないようにする抗PD-1抗体を含む。そのため、オプジーボが効くと、キラーT細胞は偽の信号に惑わされずブレーキが解除され、アクセル全開でがん細胞を攻撃することができるのだ。
「免疫療法の有効性はこれまでずっと『眉唾もの』だと言われてきました。実際、効いていると思われる症例もありましたが、統計学的に有意な差がなかなか出てこなかった。
それがこの3年ほどで、ようやく免疫療法が本当に効く時代がやってきました。手術、化学療法(抗がん剤)、放射線に次ぐがん治療の第4の柱として認められたのです。
’13年には世界的な科学雑誌の『サイエンス』が、科学界における最も画期的な事象を決める『今年一番のブレイクスルー』に免疫療法を選び、一般的にも認知されるようになりました」(吉村氏)
免疫細胞(キラーT細胞)を騙して増殖するのが「がん細胞」なんやけど、オプジーボを使うと、それに騙されずにがん細胞を攻撃するようになると。
何とも良く効きそうやけど、そんな良く効くお薬は…
オプジーボを1年間使うと約3500万円
まさに時代の最先端をいく夢の新薬。だが、このクスリを開発し始めて実用化にいたるまでは15年という長い年月がかかっている。当然、そのあいだに費やされた研究開発費は莫大なものになり、それが薬価に反映されることになる。「オプジーボの国内販売価格は、100mgがワンボトルで73万円です。肺がんの場合、患者さんの体重1kgに対して3mgが必要になり、60kgの人であれば1回の投与あたりで180mg、約130万円の薬代がかかります。投与量は患者さんの体重とがんの種類によって大きく変わってきます」(小野薬品広報部)
仮に体重67kgの男性が2週間に1回、1年間の治療を続けた場合、かかる薬価は約3500万円にも及ぶ。
お値段もそれなりにかかるわけですな。
まぁ、保険適用になったから、患者が払うのは月々15万円までになるから払えん額やないけど、保険はパンクするかもしれん。
そのうち薬価が見直されて、値下げされると思うけど。
で、そんな良く効くお薬は…
オプジーボの特に注意すべき副作用
間質性肺疾患重症筋無力症・心筋炎・筋炎・横紋筋融解症
大腸炎・重度の下痢
1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)
免疫性血小板減少性紫斑病
肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎
甲状腺機能障害
副腎障害
腎障害
神経障害
脳炎
重度の皮膚障害
静脈血栓塞栓症
薬剤の注入に伴う反応
詳しい内容はサイトで見てもらうとして、やっぱりそれなりに副作用があると。
余命宣告から完治する事を考えりゃ、これぐらいの副作用は許容範囲やろな。
何にしても、個人的にオカンががんで死んでるんで、がん治療にはそれなりに関心があるんやけど、これは「夢の治療法」って言うても良いレベルかもしれんな。
これから、ますます進化、発展する事を心から願っております。
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